ケアカフェというトーク型地域活動から見えてきたもの
発表者
相馬 渉(藤代薬局 薬局長)
抄録
地域包括ケア実践のため、定期巡回随時対応型訪問介護看護、複合型サービス、サービス付き高齢者向け住宅など、新たな事業が各地でスタートしている。また保険薬局の在宅医療への関わりの需要も大きくなり、これまでも力を入れて取り組んできたが、共通して指摘されている課題は「医療と介護の連携」である。多職種とのネットワーク構築の必要性を感じ、既に旭川医大緩和ケア医阿部泰之氏が発案されたワールドカフェ形式で対話する「ケアカフェ」をつがる地域で立ち上げ、2013年8月より開催した。ケアカフェは「地域のケアの向上」を最終目的に顔の見える関係づくり、現場での困りごとの相談場所を目的としている。およそ2ヶ月に1回のペースで高齢者~暮らしやすい地域・認知症・地域~コミュニティ・心のケア・在宅ケア~在宅で暮らす・社会資源などのテーマでの対話に毎回出てくるキーワードが「おせっかい」であった。そこで第10回において「おせっかい」をテーマに対話を深めた。現在、地域包括ケアにおいて自助・互助・共助・公助が叫ばれている中、「おせっかい」は互助に繋がるものではないか。しかしながら社会のシステムの変化や個人情報保護法のような新たな法律の施行により、個人での行為がしづらくなってきている。地域包括ケアは、全国一律に行うとしてもうまくいかいのではないか。なぜなら、地域によって人口や文化などが異なっているからだ。地域のケア力にも違いがある。つがる地域のケア向上のために、おせっかいができる環境づくりには、ケアカフェのような語りの場所を、町会などの小さい単位でも実施し、自分たちの地域に目を向けてくことと、コミニュティーリーダーを作っていく人づくりも大切である。 今後は一般市民や医療・介護福祉関係者以外の多職種も含めた多くの参加者を集め多角的視点で、この活動を継続していきたい 。