日本プライマリ・ケア連合学会「薬剤師の居宅療養指導についての施設アンケート報告(第二報)」

薬剤師の居宅療養管理指導についての施設アンケート報告(第二報)

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発表者

相馬 渉(弘前調剤センター 薬局長)

共同研究者

石川隆之、髙松利昌、崎野修、津川俊彦、福士隆政

大川誠也、木村匡宏、工藤敏子、舘田総子、葛西祐一


抄録

2008年に、ファルマでは在宅推進委員会を立ち上げた。弘前調剤センターを中心に、ファルマ全店舗(5店舗)で居宅療養管理指導を算定できるまでになった。2013年9月に同様のアンケートを実施したが、再度2015年に11月に、保険調剤薬局として地域医療にどのように貢献できるかという視点から、弘前地域に施設のアンケート調査を実施した。そして、今回は、2015年度の介護報酬改定の影響も設問に加えた。

  • 方法

グループホームは自治体ホームページ、高齢者施設は青森県のホームページから抽出した。発送:111件(郵送24件)回収件数は24件、回収率は約22%。回答した施設の半数以上は薬局から薬が届けられていた。薬の服薬管理・服薬介助ともに介護職の関わりが多かった。薬に関する困り事としては、回答数の42%が「複数の医療機関の薬を服用毎に整理すること」を選択した。飲み合わせや副作用を考えると、医療機関に近い薬局が便利で効率的だと思うが、かかりつけ薬局を決めて薬の管理を一本化することの意義を薬学的な観点から伝えていくことが必要である。薬の整理もそれぞれの患者様に合った形で提案できるのが薬剤師であり、飲みにくいお薬は剤形変更を提案することもできる。もっと薬の専門家として活用してほしいと考える。 居宅療養管理指導を知っていると回答した施設は83%と高い数字を示した。居宅療養管理指導を受けても従前のケアサービスを変更する必要がないことも半数以上の施設が知っていると回答した。2015年度の介護報酬見直しの影響は、60%の施設が影響はあると回答した。介護報酬が減算されたことで経営を圧迫している施設もでてきている。 今回はアンケートを実施し、結果をフィードバックしている。薬剤師の職能をアピールしながら、施設との関係づくりの第一歩になると考えられる。薬剤師も、薬局で待っているだけではなく、多職種に職能を理解してもらうことが大切である。

発表データ.pdf

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