未収金の取り組みについて

未収金の取り組みについて

発表者

乗田沙緒莉  (ファルマ弘前薬局 事務)


共同研究者

ファルマ事務委員会 (工藤敏子 舘田総子 阿部千佳子 鈴木健仁 葛西祐一

水木孝之 工藤由希子 津川なつみ 西沢菜夏 三上菜美 中西茉季 工藤留美 三上心乃音)


抄録

≪目的≫
近年、薬代の支払い困難者が増加し、各々の理由も複雑化しており、借金や自己破産、治療中断等、生活相談に至るような事例が多くなっている。各薬局任せで解決できない未収金事例も多くなっていることから、未収金管理業務の平準化を進める目的で様々な取り組みを進めた。


≪方法≫
未収金管理規定を策定し、各薬局未収金業務の平準化を行った。規定に沿って未収金業務を進めることで各薬局の情報と毎月の流れを共有できるようになった。更には、事務委員会の中に未収金チームを発足させ、事務委員会とは別に月に一度検討会を開催している。
発表演題に関連した開示すべきCOIはありません。また発表にあたり対象者の個人情報とプライバシーの保護に配慮し、研究結果の内容や掲載の同意も得ています。


≪結果≫
未収金管理規定については、どのタイミングで何をするのか、ということを明確にしたことで判断に悩むことも無くなった。また、統一した個人台帳をデータ化することで、未収金の理由、経過が明確になり、アプローチがしやすくなった。特に支払い困難な方の情報については、いつ、誰が見ても最新の状況が把握できるようになり、特定の職員だけではなく、誰でも対応できるようになった。


≪考察・まとめ≫
未収金業務は、対応が遅れると治療中断に繋がるなど、生死にかかわる事例もあり、スピーディに毎月継続的に行う重要な業務である。未収金管理規定などの整備によって、すべきことが明確とされたことから、事務委員会内では各薬局の支払い困難事例について、協議しやすい状況を作ることができた。未収金業務は回収だけが目的ではなく、SDH(健康の社会的決定要因)の視点から捉えることで、それを変化させる運動に繋げていくことも求められる。自治体交渉(特に無低診の薬代助成)などを進め、薬局で起きている事例を訴えていくことも、地域医療を守るための取り組みであり、今後の活動に繋げていきたい。


キーワード:社会的事例への対応 貧困問題 経営改善

学術活動

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