新型コロナウイルス感染症に対するラゲブリオ(モルヌピラビル)・パキロビット(ニルマトレビル/リトナビル)服薬フォローの実施結果について

新型コロナウイルス感染症に対するラゲブリオ(モルヌピラビル)・パキロビット(ニルマトレビル/リトナビル)服薬フォローの実施結果について

発表者

神 千穂美  (ファルマ弘前薬局 薬剤師 主任補佐)


共同研究者

石川隆之、相馬渉、葛西孔明、村上昌


抄録

新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬として、2021年12月にラゲブリオカプセル(以下ラゲブリオ)、2022年4月にパキロビットパック(以下パキロビット)が特例承認となった。当薬局では医療機関の処方に対応できるよう早期に両薬剤について調剤できるよう体制を整えた。使用経験の乏しい新薬のため服薬後の状況を把握することは重要と考えられる。


【目的】

ラゲブリオ・パキロビットの服用状況、服用後の体調変化、副作用発現の有無、また副作用症状について調査した。 


【方法】

 ラゲブリオ・パキロビットが処方となり、投薬時に電話での服薬フォローについて了承いただいた方を対象とした。原則、服用開始4~5日目に対象者の予定に合わせ電話での聞き取りを実施した。調査期間はラゲブリオ:2022年1月~2023年2月、パキロビット:2022年7月~2023年2月までとした。


【結果】

 ラゲブリオは調査期間に400名の調剤、うち325名に、パキロビットは調査期間に221名の調剤、うち183名に電話による服薬フォローを実施。副作用が疑われる報告はラゲブリオ31名、パキロビット60名となり、両薬剤でそれぞれ12名が服薬中止となった。副作用の詳細についてまとめ報告する。また服薬フォローの際にうけた相談内容についてまとめ報告する。


【考察】

電話による服薬フォローを行うことで、実際の服薬状況を確認でき、体調変化・副作用の発現状況について確認できた。またフォローの際、服薬、体調変化、併用薬との飲み合わせ等に関して、広く相談を受けることが多くみられた。

薬剤師による服薬フォローは患者の不安解消にも繋がり、これはアドヒアランス、QOL向上にも有益なものと考えられる。


発表演題に関連した、開示すべきCOIはありません。発表に関して個人が特定できないよう十分な倫理的配慮を行いました。発表にあたり所属施設の承認を得ました。


キーワード:服薬フォロー 新型コロナウイルス 経口抗ウイルス薬



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