共同組織の力を借りて処方箋を増やすための取り組み

共同組織の力を借りて処方箋を増やすための取り組み

発表者


大川誠也  (黒石薬局  薬剤師 薬局長)


共同研究者


高橋和希 高橋沙衿 小田桐徳子



抄録

【目的】年々保険調剤薬局の経営は厳しい状況となっている。要因として①薬価改定による薬価差益の減少、②処方の長期化による処方箋の減少がある。薬局の経営は処方箋から得られる技術料と処方された薬剤の公定価格と卸価格の差である薬価差益であり、処方箋枚数が減少すること=経営悪化となる。逆を言えば処方箋をどれだけ多く獲得できるかが薬局として生き残れるかの基準となる。民医連の調剤薬局法人も往々にして減益に苦しんでおり、さらにドラッグストアチェーンなどの攻勢にさらされ経営的にも難しい状況が今後一層予想される。そういった中、共同組織という民医連の強みを生かし、処方箋枚数を増加させてきた2薬局の事例を挙げ、生き残るために何をするべきかの一助となる目的で報告する。


【方法・対象】組合員さんの班会や講演会などでかかりつけ薬局について積極的に紹介、さらに組合員用新聞に折り込む支部チラシにも薬局のスタッフや商品紹介なども掲載依頼。組合員総会や街角健康チェックなどの企画にも参加することで顔が見える薬剤師がいる薬局として認知してもらった。


【結果】検討対象期間をして2018年を基準とし、処方箋枚数について、2021年では門前医療機関からの処方箋枚数は0.95と減少したが門前以外の処方箋枚数は1.6と増加。集中率については85%から72%まで低下、地域や班会への講演依頼件数も増加、薬局での健康相談なども増えOTC販売額も増加した。黒石薬局以外にも系列の浪岡薬局でも実施し処方箋枚数を増加させることが出来た。


【考察】今回の手法はどの薬局でも処方箋を増やすことが出来る方法のため是非参考に民医連薬局として生き残っていただきたい。ただし処方箋を持参してくれても継続して来局してくれるかについては接遇や患者対応(特に初回)により大きく影響されるため各薬局での今後の対応にも注意が必要である。



キーワード:長期投与 処方箋集中率 共同組織



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